3回戦 はしこばし

面白かった。このコンビもクセになる。というか左の聞き役の人。顔と声が抜群にいい。昔ならすごい男前と言われていたであろう濃い顔（イニシャルDにも出てきそうだけど）もいいし、ちょっとホモっぽい小学校時代にいた先生みたいなねっとりした雰囲気の声もいい。その顔と声の組み合わせがなにより素晴らしい。

フリーライブでたまに一緒になってネタ観たことがあるがその時から面白かった。でも今回はかなり完成されてた。

要はツッコまない漫才。完全にツッコミをしない。ボケの言うことを全て肯定していく。その肯定の仕方が面白い。樹海で誕生日パーティーするの返しに「生まれた日を祝うわけだから死と隣り合わせの方が引き立つよなぁ」とか去年のカレンダープレゼントするの返しは「もう買えねえもんなぁ」とかどんどんこの人のフォローの仕方を聞きたくなってくる。1番面白かったのは「葬式もそうだもんなぁ」のところ。確かに！

完全にボケをフリにしている漫才だけど全肯定と肯定が聞きたくなるボケでずっと見ていられる。というか肯定してくれ！って気持ちになる。

あと肯定を言うまでの微妙なタメが素晴らしい。すごいちょうどいい間をあけて言うから引き付けられる。このタメが長すぎるとだれてくどくなるからリズムも聞き心地も悪くなるし。1度悪くなったらドツボにハマってどんどん変なリズムになるときだってある。間の感覚がすごいと思う。喋り出しの声の大きさも抜群。あと意識してるのか天性のものなのかビブラートを効かせるような語尾が大きくなる喋り方が笑ってしまう。喉をひくひくして喋ってる。たまにこういう喋りの人と出会うけどやっぱりちょっと笑いたくなる。

肯定が逆に嫌味に聞こえるようにしてむしろツッコミであるという感覚はあまりなかった。確かにちょいちょいうんうん、違うよねそうじゃないよねぇ？という雰囲気も醸し出すけど、オチの分かりました！で戸惑いながらも受け入れてる態度を見せているから気持ちとしては全部フォローの構え。おぎやはぎやポイズンガールバンドだってツッコむときはツッコむし、はしこばしはごく自然に全肯定をやってのけた。

やっぱお笑いやりたいな