それにつけてもM-1 2022

元芸人のたわごと

3回戦 キングブルブリン

ボケの人の雰囲気と喋り方がめっちゃくちゃいい。ちょっと弱々しそうで、でも理屈っぽいことも言いそうな風貌。このネタにすごいマッチしている。初めて見たコンビだったけど好きになった。

 

とにかく「小林はこおへんて」「こおへんの?!」が気持ち良すぎる。

1発目のこのボケのためにほぼ同じやり取りを続けて5人目か6人目くらいでこのボケツッコミ。芋づる式になっているからタメた分全てがおじゃんになるバカバカしさがすごい。破壊力も納得。

すごい簡単な仕組みのように感じるけど意外と思いつかなそうというか、簡単そうすぎるから手を出さないというか、、とにかく虚をつかれた。中には途中でオチに気づく人もいるかもしれないが、飄々と会話を続けられて、割と聞き逃さないようにしないとという意識をさせられるので聞き入ってしまう。だから急にくる「こおへんて」がすんごい拍子抜けして面白く感じる。

「こおへんて」のボケの人の言い方がまた絶妙。物凄くアホっぽく言う。それまでに比べてちょっと早めに言ってるというか、放り投げてる感じがいい。テクニックが光る。コジコジが次郎君にゆっくりボケてる感じの一連のやりとりというか。そんな雰囲気がある。

 

ちょいちょいツッコミの人の例えとかツッコミで笑いをとろうとしている部分がくどく感じる時がある。分かる。このネタの内容だけだと弱いなと感じてしまうのは芸人なら多くが思うだろう。それだけではウケが足りないと。通過には値しないだろうと。だからツッコミでも笑いとれるところは隙間なくとっていこうという感じだろう。

 

だが時としてそれはボケの話のペースより前のめりに映りかねない。ツッコミが笑いをとりにいっている感が出すぎるとせっかくの面白いボケを味わいきるところまでいかずに、ボケがフリの色を出してしまう。リメンバーGとか結構うまいこと言っているようだけど個人的にはもう少し勢いを抑えたツッコミの方がいいような気はした。なんか用意してきてます感が強い。

ただそれでは3分の中でとれる笑いの箇所を失うことになるかもしれない。そこが難しい。

 

でも2人の雰囲気はコンビとして合っているしきっと来年はもっと上にもいきそうな気がする。

 

やっぱお笑い楽しいな