3回戦 黒帯
この2人は自己プロデュースが上手い。大阪吉本のイケイケのグループに属せず、黒帯軍団と呼ばれる自分たちの仲のいい芸人をyoutubeで紹介したり、お笑いファンが喜ぶようなテーマでトークをしたりしている。しかもこのテーマというのがお笑いファンだけでなく芸人もとても興味があり、それをどう一般の人たちに話すのか非常に興味をそそられるものなのだ。youtubeを己の砦にしてどんどんテリトリーを広げていっている気がする。そして自分たちの面白い部分をじわじわと浸透させてファンを増やしている。
その活動がM-1の予選においてプラスに働いているのは間違いない。
ネタは10秒以内にジャニーズのグループのメンバーを全員言うというゲーム性のあるもの。言えなかったら罰ゲームとして学生時代の恥ずかしい称号を持つ人の名前を発表する。ほぼ言えないということはないゲームなのだがこの簡単さがオチの馬鹿馬鹿しさを助長している。このコンプラ規制ガチガチの時代に個人情報を多くの人の前で晒すというボケ。結局オチで名前をいうことになるのだが、もう罰ゲームというよりその名前を発表したいがためにやっている感じ。ただの学生時代の友人のエピソードトークを言うだけなのだが、そこに言うまでのルールを設けることで面白さが増す構造。エピソードが最初にきて名前が後というのがいい。まさにハンターハンターでいうところの制約と誓約。この人たちのネタはフリが長くひとボケまでに時間がかかるという特徴があるがそれを活かしきっているネタだと思う。
面白いかと言われれば面白い。
馬鹿馬鹿しさに特化したネタなだけあってしっくりきたときの笑いの破壊力は凄まじい。でも正直言うとこのネタに限ったことだが、なんでここまでウケているのかは理解しきれていない。途中でゲームを諦めて(やめて)名前を発表するまで待っている感じはめちゃくちゃ面白い。
思うのは、この2人は独特の華があるということ。衣装も漫才師然としているわけではなく、アパレルの店員のような格好。黒帯のyoutubeを見ていれば分かるが2人はファッションには結構気を遣っている様子。右の人は舞台上なのにリングをはめていたりアクセサリーも普通につけている。本来芸人が舞台に立つ上でそれはしないほうがいいような風潮があるが私は全然いいと思う。あくまで街中のオシャレの延長。その気の抜き方が2人のしゃべりの適当さにつながっているし、その雰囲気こそが馬鹿馬鹿しいネタに華を持たせている。観客が見る気になるというのは実は一番大事な要素だ。ただこれに嫌悪感を感じる人も中にはいるとは思う。仲の良い元芸人の先輩はこの2人はおじさんなのにチャラチャラした格好で頑張っている感がちょっとキツいと言っていた。そう感じる人もいるだろう。
ポイズンガールバンドの2人の持つ「とっつきづらい華やかさ」に通ずるものをこの2人は持っている。ポイズンの2人は人物そのものの持つカッコよさが華になっていたが、黒帯の2人は巧みな自己プロデュースにより同じような華を獲得している。
M-1という大会に愛されたコンビだろう。
やっぱお笑い楽しいな