それにつけてもM-1 2022

元芸人のたわごと

3回戦 ミルクボーイ

破壊的に面白かった。大阪3回戦の中で1番面白い。ネタの内容、ウケ、爆発力どれをとっても他の追随を許さない。

 

このネタのシステムがなんと言ってもすごい。めちゃくちゃシンプルなシステムなのに他に誰もやらなかった。といってもこの人たちは私が大学生の頃「カイブツ」という大学生でお笑いをやっている人たちのネタ番組が短い間放送されていてそれに出てネタを披露していた。その頃からこのフォーマットで漫才をしていたからざっと11年くらい同じスタイルでネタをやっているはず。(途中で普通のしゃべくりに戻したとか聞いたこともあるが)その信念がすごい。絶対飽きるしそれでずっと売れてなかったら諦めるのが普通。頭がおかしいとしか言えない。

 

ネタの題材はコーンフレーク。めちゃくちゃいい題材。笑いの要素しかないような食べ物。中でも栄養成分のグラフのボケはコーンフレーク食べたことある人なら誰しもが思うツッコミポイントだろう。やっとこの面白さが陽の目を浴びる時が来たかという気持ちと同時に、あーあ、やられてしまったかという悔しい気持ちもある。

 

パフェに法律スレスレの量入ってるとか朝寝ぼけた状態でしか食えないとかツッコミの人の面白い解釈と例えが全て面白くて最高だった。人じゃなくてモノをこれでもかといじりまくる様は本当にバカバカしくて尚且つ平和。平和であることがまたバカバカしいという全部面白い構造。日本人にしかこの笑いは理解できない、そんな気がする。

 

このシステムは絶妙なお題(トークテーマ)が抜群に活きるんだなというのを改めて確認させられた。

 

そんでさりげなくこのネタを成立させているのが、ツッコミがコーンフレークやないかって言った後、ボケが俺もコーンフレークと思ててんけどな、というところ。「コーンフレークとは自分でも思ってるんだ」という事実の上で話しているから行ったり来たりのやりとりに違和感がない。お母さんはこう言っていたということをボケは伝えてるだけ。だから厳密に言うとボケてはない。情報を伝えてるだけ。2人とも確かではないことについて言い合いをしている。まさに本物の会話。それでここまで笑いを生み出している。

 

ツカミも毎回面白いし最初から最後まで笑える。

 

ツッコミが途中で言う「絶対コーンフレークなのになんでコーンフレークじゃないの」ってセリフがまさにこのネタの純粋な楽しみ方だと教えてくれる。

 

 

決勝行くでしょこれ。

 

やっぱお笑いやりたいな